突然ですがみなさん、闇雲に競争しすぎていませんか??
勉強、スポーツ、仕事に恋愛と、私たちの人生は、ライバルとの競争そのものと言ってもいいくらい。でも、どうやって競争に勝ち抜くか、あまり意識して戦略を考えたりはしませんよね。
実は直接対峙するライバルだけ見ていると、競争には勝てません。
「競争には5つの要因がある」と、看破したのが経営学者のマイケル・ポーターです。利益をめぐる競争は、「業界内の競争」だけでなく、「新規参入者の脅威」「代替品の脅威」「買い手(顧客)の交渉力」「売り手(供給側)の交渉力」まで拡張される、という「ファイブ・フォース理論」を唱えました。
ポーターさんは経営学者なので、ちょっと難しい言い方になってますが、ファイブ・フォースはあらゆる競争に通じるしくみです。
例えば恋愛のファイブ・フォースなら…
1つめは、同じ土俵で競争するライバル、つまり恋敵ですね(業界内の競争)。ここは、みんな強く意識して、少しでも上回ろうとしたり、時には出し抜いたりすると思います。ただ、ライバルは眼の前にいる人だけとは限りません。
2つめは、未来の恋敵の可能性です(新規参入者の脅威)。恋の相手が魅力的であればあるほど、ライバルは際限なく現れます。いちど恋人や伴侶の座を手に入れたとしても、常にその地位を脅かされる不安がつきまとうかもしれません。
3つめは、恋愛以外の関心事です(代替品の脅威)。好意を持っていてくれたはずなのに、相手の関心が他のことにあって(移って)、恋愛どころではないという状態。「あなたのこと好きだけど、今は仕事が大事」ってやつです。
4つめは、恋の相手との力関係です(顧客の競争力)。バブル期に社会現象になった「アッシー君」「メッシー君」などは、女性の交渉力が高まった例です。割り勘が当たり前(?)の令和でも、「惚れた弱み」で男性が女性の高い要求に応えたり、女性が男性にとって「都合の良い女」になってしまうケースがあるでしょう。
5つめは、お金や時間など、恋愛関係の発展と維持に必要なリソースの確保です(供給側の交渉力)。あなたは上司から残業を命じられて、「今日デートなんで、無理です」と断れるでしょうか?相手のために、十分な時間や収入を確保する交渉力も、現実の恋愛には必要です。
こう考えると、恋愛の競争要因は実に多様であることがわかります。そして私たちは無意識には、結構ファイブ・フォースに影響を受けて恋をしています。
「この人と付き合うと安心できないな」「素敵すぎて自分には釣り合わないな」など、恋に消極的になるのは、新規参入の脅威や顧客の交渉力を分析している証拠。高価なプレゼントを贈ったり、まめに世話を焼いたりするのは、交渉力の高い顧客に応え、自分自身の競争力を高める行為です。そのためには、恋に必要なリソースの供給を潤沢にするため、仕事をがんばったり、条件の良い職場を選んだりするでしょう。
ひとつの要素だけ見て勝てないと思っても、他の要素で優位に立てる可能性はあります。ファイブ・フォースをマルチに見て、競争戦略を考えることが大切なんですね。
このことは、ビジネスをはじめ、すべての競争に当てはまります。というより、そもそもファイブ・フォースは経営の理論ですが、わかりやすく恋愛で考えてみるのが本稿の趣旨でした。
時には恋をした時の気持ちになって、仕事や学業、趣味の戦略を考えてみてはいかがでしょうか?