10月 10, 2011
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ブックフェア2011

 去る7月上旬に第18回東京国際ブックフェアが東京ビックサイトで行われました。
遅ればせながら、今回はその時の見学レポートを書こうと思います。

 全体的な印象として、昨年に増して電子書籍に各企業は力を入れていました。
iPhoneだけでなく、Android関連のPRも散見されるようになっていたのが、
今年の注目点でしょう。
 ブックフェアの上のフロアで開催していた教育ITソリューションEXPOでも
Android関連の講演をやっていました。その講演の話では近いうちにiPhoneを
抜く勢いらしいです。本題はAndroidでの講義の配信、受講、成績管理システムの
提案でした。かなり完成度の高い提案していたのが、印象的でした。

 各企業のブースで目ぼしい所をピックアップすると、
 ●インプレス社
  新たにAndroid向け雑誌を創刊したとプレゼンしていました。
 アプリをダウンロードするサイトが煩雑なのでQRコードを誌面につけたと
 説明していたのがユニークな所でしょうか。若干ながら本末転倒(?)な気がしました。

 ●Visual Processing Japan社
  この会社のプレゼンは相変わらずテキパキしていて聴いていて気持ち良いです。
 私が立ち寄った時はInDesignを使った動画付きのカタログ製作フローについて
 説明していました。やはりレイヤーの使いこなし方は必須のようです。

 ●廣済堂社
  「時刻表復刻版アプリの楽しみ方」と称して国鉄時代の時刻表をテーマにして
 プレゼンしていました。メインの列車ダイヤの部分だけでなく、当時の広告も
 再現されており、当時の世情や、流行がイメージできて興味深かったです。
 単なる鉄道マニア的な面白さだけでなく、文化的な価値のあるアプリに
 仕上がっていたように思いました。

 ●東芝社
  教育ITソリューションEXPOにて学校向けタブレットPCの紹介をしていました。
 プレゼンと並行してタッチパネル上の地図をマークしたりエリアを選択させるなどの
 実演を見学者にさせていました。コミュニケーションを高めるには音声認識機能が
 あると良いと思いました。

 ●Adobe社
  CS5.5の新機能を紹介していました。パノラマ機能では前後左右上下6画像配置するだけで
 3次元イメージを実現させる事ができると説明していました。それとEPUB3.0に対応している
 事をアピールしていました。ようやく縦書き、ルビが電子書籍でも使用可能になる様子。

 今回のブックフェアを振り返ってみると、様々な企業が電子書籍化に取り組んで
どこと連携しようか等について試行錯誤が見られました。ただ、どうやって儲けるか
(ユーザに課金、というよりもいかにして面倒がらずにお金を払ってもらうか)を
真剣に提案している所がまだ少ない気がしました。かたや個性的なコンテンツを持った
中堅・中小クラスの出版社では電子書籍どこ吹く風という感じでひたすら紙の書籍を
営々とアピールしていたのも印象的でした。個人的には従来型の紙の書籍の手軽さも
捨て難いと思っているので、孤軍奮闘(?)している出版社を応援する為にも興味のある
本はなるべく購入して読もうという所存です。ひいては業界全体が少しでもいいから
儲かるようになれば良いと願うばかりです。

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