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基本をもう一度~カラープロファイル編~

今回はカラープロファイルについてお話ししたいと思います。

画像の処理や組版作業を行なう際に「カラープロファイル」の設定等を見たりすると思いますが実際どういったものか、というのは意外と知らない人が多いかもしれません。

カラープロファイル(またはICCプロファイル)とは、「各デバイスが持っている色の特性が記述されたもの」これを設定する事で各デバイス独自の色とデバイスインディペンデントカラーをつなぎ、別々のデバイス間の色の対照が可能になります。

デバイスインディペンデントカラーとは予め決められている色の絶対的な尺度です。画像データ等の色はこのデバイスインディペンデントカラー内の色の数値、位置によってデータ上で再現されます。

例えば、デジカメで撮影した写真をパソコンに取り込む際、自動的にデジカメの表現色をパソコンで表現可能な色に置き換えます。この色の置き換えはそれぞれのデバイスが自動的に行ないますが、色の数値、位置は記録されていないためそれらを無視し似た色に変更してしまいます。この差異を無くすためにカラープロファイルの設定が必要になります。プロファイルの設定を行なうと別々のデバイスでも自動的に元のデバイス上で表現された色の数値、位置の再現を行い、見た目の差異を少なくします。

大雑把にプロファイルは何かと言うと、デバイスごとに表現される色はそれぞれバラバラなのでそれらを均一化した見た目にするために必要なもの、といった感じです。これを行なえば、RGB→CMYKにした際にも最小限の差異で色の表現が行なわれます。

種類も多く、どれを設定すればいいか分からない場合は「Japan Color 2001 Coated」を選べばまず間違いはありません。このプロファイルは印刷業界では標準的なプロファイルで、様々なデバイス等にも対応可能、汎用的で間違いも起きにくいものです。本来であれば、デバイスごとや印刷機ごとに個別でプロファイルを設定してやれば一番奇麗な状態になりますが、それは現実的(コスト等)に厳しいためほとんどの場合「Japan Color 2001 Coated」になっております。

厳密にはプロファイルとは少し違っていますが、昨年の9月にアミューズメントの大手バンプレストからとある出力規格が発表されました。「CG-i」と呼ばれるもので、本来ならRGB→CMYKに変換した際に発色の良い色(ネオン系等)がくすんでしまう所をRGBの色に限りなく近いまま印刷可能にした出力規格です。キャッチコピーは「それは紙で見るCG、モニターよりも美しく。」そもそも印刷する際にはたとえRGB(光の三原色)の状態だったとしても自動的にCMYK(色の三原色+K)の色味に置き換わってしまいます。光源で表現された色は紙には印刷不可能で、モニターで見た場合と印刷した場合で色が違って見えるのはそのためです。
しかし、CG-iは「モニター上で表現されている色をほぼそのままの状態で印刷」を可能にしました。

これを使用した場合、今までプロファイルを設定し色の数値を整え、いくつもの手順を踏んで見栄えを良くしていたものがモニター上の見た目を良くする工程だけで奇麗なものを出力出来るようになります。現状はイラストのポスター等の一点ものを印刷するのに使われているようですが、この出力規格が印刷業界にどのような変化をもたらすか非常に興味をそそられます。

↓youtubeにて詳しく説明された動画があるので一度ご覧下さい。
「CG-i -それは紙で見るCG、モニターよりも美しく。-」
https://www.youtube.com/watch?v=88s82kE7snA#t=41

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